Claude CodeのSkillsでドキュメント作成を試してみた – Excel編 & パワポ編

はじめに

プロジェクトのドキュメント作成って、地味に時間がかかりますよね。BFC(業務機能一覧)やSFC(システム機能一覧)をExcelで埋めたり、As-Is/To-Beの業務フロー図をパワポで描いたり。テンプレートはあっても、中身を書くのは結局手作業。

そこで今回は、AIに自然言語で指示するだけで、これらのドキュメントを自動生成できないか?という検証をしてみました。自然言語でちょっと指示を出したら、あとはそのままAIがいじってくれるみたいな世界が、もうすぐそこまで来てるんじゃないかと感じた内容です。

この記事のポイント

何ができるようになったのか?

  • Excelテンプレート(BFC/SFC)への自動記入が約6分で完成
  • パワポでのAs-Is/To-Be業務フロー図の作成が約15分で完成
  • どちらも手動修正は必要だが、ゼロから書くよりはるかに速く、たたき台としては十分実用レベル

何を使ったのか?

  • Claude Code: Anthropic製のターミナルベースAIコーディングツール(公式ドキュメント)
  • Skills: Anthropicが公式に公開しているスキル集。今回はxlsx(Excel操作)とpptx(パワポ操作)のスキルを使用。

注意事項・今後の課題

  • トークン消費に要注意。特にパワポ編はコンテキスト消費が激しく、80%を超えると会話が圧縮されて品質が落ちる可能性がある。大規模プロジェクトでは分割投入などの工夫が必要
  • 色・書式の再現は不完全。背景色が黒くなったり、図形の配置がずれたりする部分がある。最終的な仕上げは手動調整が前提
  • 既存コードがあるほど精度が上がる。今回はソースコードを読み込ませたので高品質だったが、コードがない場合は要件定義書や議事録など、別のインプットが必要になる

検証時期

  • 2026年2月の断面での検証です。Claude CodeやSkillsは頻繁にアップデートされるため、最新の状況は公式ドキュメントやGitHubリポジトリを確認してください

目次

  1. Skillsとは?
  2. Excel編:BFC/SFCテンプレートを自動で埋めてみる
  3. パワポ編:As-Is/To-Beの業務フローを作ってみる
  4. 感じたこと

Skillsとは?

まず前提として、Claude CodeにはSkillsという機能があります。これは、生成AIに「この場合はこう動いて」という手順書のようなものを読み込ませる仕組みです。

Skillsの中身

中身を見てみると、英語で様々な指示が書かれています。Pythonでの値の取得方法、Node.jsでの処理パターン、デザイン確認時の画像化手順など、作成・編集といった用途ごとに整理されています。

今回使ったExcelとPPTXのSkillsは、Anthropic(Claudeの開発元)が公式にリポジトリで公開しているもので、そこからダウンロードしてローカルに配置しています。

AI自体はもともとコードの書き方を知っていますが、「何に特化させるか」(今回であればパワーポイントやExcelの操作)という細かい部分をSkillsで補完してあげることで、より効率的に作業ができるようになります。

Excel編:BFC/SFCテンプレートを自動で埋めてみる

やったこと

今回の題材は、自分が趣味で作っていた議事録アプリケーションです。

社内でADAMという取り組みがあり、プロジェクトドキュメントをテンプレート化して展開しています。要件定義などのドキュメントテンプレートが整備されているので、これをAIで自動的に埋められないか試してみました。

ADAMのExcelテンプレート

ADAMのExcelテンプレートは、BFC(業務機能一覧)とSFC(システム機能一覧)のページで構成されており、記入のサンプルも用意されています。テンプレートに沿って埋めていけば、一定品質のドキュメントが出来上がるという仕組みです。

指示はシンプル

やることはこれだけです。/xlsx でSkillsを呼び出し、「このプロジェクトの内容で、テンプレートの部分をサンプルのシートを参考に記入してください」と指示を投げます。多少雑な指示でも、AIが意図を汲み取ってくれます。

実行すると、まずプロジェクトのソースコードを自動で閲覧し始めます。各ファイルを読みながらプロジェクトの構造を把握し、次にExcelテンプレートの構造(シート一覧やサンプルの記入内容)をPythonで読み取っていきます。

コンテキスト(トークン)の消費状況を確認すると、20万トークンのうち36%ほど使用していました。初期状態で10〜15%程度は消費されるため、大規模なシステムだと読み込みだけでかなりのトークンを使ってしまいます。その場合はプロンプトの分割などの工夫が必要です。

約6分で完成

指示を投げてから約6分で出来上がりました。

確認してみると、更新履歴に今日の日付が入っており、BFCの各項目がしっかり埋まっていました。業務名や機能名が分類され、アクター情報(システム/ユーザー/管理者)、優先順位、業務IDも体系的に付与されていました。「文字起こし実行」「音声ファイルアップロード」など、アプリの機能がきちんと反映されています。

BFCの完成結果

SFCの方も、画面・ジョブ・バッチ処理といった機能種別がきちんと記入されており、業務IDとの紐づけもできています。サンプルシートを読み込んでいるため、表現や言葉遣いもテンプレートに近い仕上がりです。

SFCの完成結果 - 背景色の問題あり

ただし、すべてが完璧というわけではなく、セルの色が背景色が真っ黒になっている箇所もありました。再度に色の指定ルールをSkillsに追加すれば改善できるので、そこは今後の調整ポイントです。

パワポ編:As-Is/To-Beの業務フローを作ってみる

テンプレートを用意して指示

次はパワポです。こちらもADAMのテンプレートを使用します。

テンプレートには業務フローの構成要素が定義されており、業務プロセスやシステム・データのAs-Is/To-Beが整理されています。

記入例として、経費処理フローのAs-Isがスイムレーン形式で用意されています。

パワポテンプレートの記入例

また、空のAs-Isテンプレートも用意されており、ここにAIがプロジェクトの内容を書き込んでいく形になります。

これを参考に、今回のプロジェクト用に書き換えてもらう形で /pptx のSkillsを呼び出しました。あとは待っていれば、AIが自動で完成まで進めてくれます。

Skillsの中身

PPTXのSkillsには、用途ごとに使うべきツールやライブラリが整理されています。テキストのみを読み取る場合、ビジュアルを確認する場合、XMLとして展開して中身を見る場合など、それぞれの手順が記載されています。編集・作成・デザインのワークフローも整理されています。

PPTXスキルの中身

Node.jsのライブラリを使ったパターンや、すぐに使えるスクリプトも用意されており、Claude Codeがこれらを活用しながらパワポの中身を読み取り・編集してくれます。

コンテキスト消費が課題

ここで一つ問題があります。PPTXの構造はExcelより複雑で、コンテキスト(トークン)の消費がかなり激しいです。

パワポの中身を読み取り、生成後に画像化して確認し、修正を繰り返す…というループの中で、トークンがどんどん消費されていきます。80%程度に達すると、過去のやり取りが自動的に圧縮(要約)されてしまい、それ以降の作業精度が落ちることがあります。

案件の規模や作成するパワポの複雑さによっては、コンテキストが不足する可能性があります。ただし、最近はOpusモデルが100万トークンに対応するなど、APIを使えばより大規模な処理も可能になりつつあります。

約15分で完成、その結果は?

As-Is業務フロー完成結果

完成までに約15分かかりました。途中経過を見ていると、かなり複雑な構成で作られている印象です。「ファイルが破損している」という警告が出てきましたが、中身を確認すると、色や背景の細かい違いはあるものの、テンプレートの構造に寄せた出力になっています。

意図しない形の図形が混入していたり、枠外にはみ出している部分もありましたが、最終的なアウトプットはかなり良い出来でした。

To-Be業務フロー完成結果

To-Beの方も思った以上に完成度が高いです。As-Isもスイムレーン形式できちんと表現されておりました。一部変な部分があるものの、手動で微調整すれば十分に実用できるレベルです。

このフロー図があるだけで、プロジェクトの全体像がひと目で把握できますし、新規プロジェクトのたたき台としても活用できそうです。

感じたこと

ドキュメンテーションの世界が変わりそう

今回のように、Claude CodeでAs-Is/To-Beの作成やExcelの編集ができることがわかりました。ただし、既存のソースコードがあるからこそ高品質なアウトプットが出てくるという点は重要です。コードがない場合は、要件定義書や会議の議事録など、別のインプットが必要になります。

また、今回は1回指示を投げただけの結果です。ここからさらに「粒度を上げて」「この部分をこう修正して」と追加指示を重ねれば、より完成度の高いドキュメントに仕上げることができるはずです。

AIの能力向上を実感

特に印象的だったのが、Claudeの画像認識能力の向上です。生成したドキュメントを画像化して確認し、問題があれば修正するというループを自律的に回せるようになっています。エージェンティックに長時間動き続ける安定性も向上しており、「確認→修正→再確認」のサイクルを人間が介入せずに回せるのは大きな進歩です。

また、ハルシネーション(事実と異なる内容の生成)もかなり減っている印象です。インプットとして与えた情報をもとに、的確なアウトプットが出てくるようになってきています。

Skillsの掛け合わせが面白い

Skillsの面白さは、AIの持つ汎用的な知識と、特定ファイル形式に特化したノウハウを掛け合わせられる点にあります。専用アプリケーションを作るよりも自由度が高く、自然言語の指示だけでファイルを直接操作できるという世界が、もうかなり現実的になってきています。

工夫次第で実用的なアウトプットが得られるということが、今回の検証で確認できました。